A Choral Suite "Hajimari-wa I'tsumo (Always Start Anew)"

 for Children's Chorus and Piano

合唱組曲「はじまりは、いつも」

 同・女声合唱版(ピアノ伴奏)

Text and Music by Kentaro Sato (Ken-P)

作詞・作曲 佐藤賢太郎(Ken-P)

Children's / Female Chorus ver. (同・女声版 海外版)

本楽曲は全日本合唱普及会より製本版が販売されております。日本国内の楽譜に関してのお問い合わせは全日本合唱普及会(電話03-3295-0919)まで御連絡ください。

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 1. 空のスタートライン [Sora-no Stātorain (A Starting Line on the Sky)]

 2. また、あした [Mata, Ahita (Tomorrow Again)]

 3. できた! [Dekita! (I Did It!)]

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 All Movements(全楽章)

Text/歌詞

日本語詩 / Japanese Lyrics

「はじまりは、いつも」

 

1. 空のスタートライン

リリリリ…
リリリリ…
起きて!
リンリンリンリン!
起きた!

朝一番のグラウンド
白い息が空にきえていくよ! ほら!
世界一大きな空のキャンバスに
心の絵具と筆で
しゅっ! わっ! えいやっ!
夢をかいたよ!

あれれ? 夢のとなりに飛行機が
スタートライン ひいてるよ!
それは すーっと まっすぐ
空からよびかける
「さぁ! いちについて!」

新しいはじまりは いつも
白く輝いて 僕の心をてらすよ
青いキャンバスは どこまでもつづく
まだ僕にしか見えない夢
目指し かけだそう!

 

夢の地図はどこにでもあるよ!
僕の手のひら 教科書のすみ
あの白く曇ったガラスの上!
ちょっとだけ みんなにも見せてあげる!
秘密のキャンバス開いたら
ポン! パン! わわわっ!
夢ひろがった!

みんなの想いが夢をつつむ
お日様よりもあったかく!
あれれ?
じーんと優しく心が動いたみたい!
さぁ! がんばらなくっちゃ!

新しいはじまりに 夢は
白く輝いて 僕の心をてらすよ
飛行機は もう明日へと消えて
スタートラインは 僕を空でまっているよ
さぁ! かけだそう!

2. また、あした

ころんじゃった 運動会で
まちがえちゃった 音楽会で
しっぱいしちゃった 参観日にね
悲しかったよ 上手くできなくて

そういう日もあるね
うん そういう日もあるね
ほら こんなに大きな空だって
大粒の涙をこぼす日もあるよ

ねぇ! またあしたがんばろうよ!
未来からの声が聞こえたら
ほどけた靴ひも ちゃんと結び直して
また 歩き出すよ

出し切れなった 練習の成果
伝え切れなかった 自分の想い

そういう時もあるね
そう くやしい時もあるね
だけど あんなに綺麗な虹だって
雨のあとしか出てこないでしょ?

さぁ! 明日に笑顔がかかるように
そっと心の雨をぬぐったら
静かに 今の自分をちゃんと見つめ直して
また 前を向いて

ねぇ! またあしたがんばろうよ!
みんなの声も心に届いたら
今の気持ちを大切に抱きしめて
また 前を向いて歩き出すよ

3. できた!

できた! やっとできた!
あのね! 今日 突然できるようになった!
ねぇ! 見てて!見てて!
もう一度やるから!

逆上がり 一輪車
背泳ぎ 二重飛び
三桁の掛け算 割り算
ネコふんじゃたのピアノ
ペン回し ゆびパッチン
長い早口言葉

あぁ! なぜだろう ドキドキがとまらない!
今なら 何でもできる気がする!
あぁ! 今 大きな声で笑ったら
きっと 地球全部も笑う気がするよ!

 

ついに やっと全部できた!
あのね! 今日 ついに百点とれるようになった!
ねぇ! ほんとにほんとだよ!
見て見て! ね?すごいでしょ!

全部の 都道府県の名前  いえた!
算数の問題 漢字のテスト 
星座の名前 今日の宿題も やっとできた!

ノートをめくれば昨日の足跡がみえる
もうちょっとだけ がんばってみよう!
そんな自分に大きな拍手を!

あぁ! なぜだろう エネルギーがあふれてくる!
今なら どこまでも行ける気がする!
あぁ! 今なら どんな夢でも
いつか つかめる気がするよ!

あぁ! なぜだろう ワクワクがとまらない!
今なら 何でもできる気がする!
あぁ! 今 大きな声で歌ったら
きっと 地球全部も歌う気がするよ!


English Translation / 英語訳

Always Start Anew」

 

1. A Starting Line on the Sky

ring, ring, ring, ring...
ring, ring, ring, ring...
...wake up...
RING, RING, RING, RING!
Now, I wake up!

At the school grounds in the morning,
my white breath is disappearing into the sky. See!
On the sky, the biggest canvas in the world,
with paints and the brush of my heart,
swish! splash! now!
I paint my dream!

Oh? Next to the dream,
an  airplane is drawing a starting line.
From the sky,
it beckons me straightway,
“Now, on your mark!”

A new start always
shines brilliantly and brightens my heart.
That blue canvas is endless.
I want to run to the dream,
although only I can see it now!

 

There are dream maps everywhere:
on my palm, at the edge of a textbook,
and on that fogged glass!
Let me show you a bit of it!
When I open my secret canvas,
bang! boom! WOW!
my dreams expand!

Everyone’s feeling embraces my dream.
It is warmer than the sun!
Oh!
I feel my heart moving gently.
Now! It is time for me to do my best!

At a new start,
my dream shines brilliantly and brightens my heart.
The airplane has gone toward tomorrow,
and the starting line has been awaiting me on the sky.
Now! Let’s go!

2. Tomorrow Again

I fell down at an athletic meet.
I played wrongly at a concert.
I made mistakes on an important day.
I was very sad, because I couldn’t do well.

There are days like this.
Yes, there are days like this.
See? Even the sky, bigger than anybody,
sheds tears sometimes.

Hey, hang in there!
When I heard a voice from tomorrow,
I re-tied my loosened shoelace
and started to walk again.

I failed to give my best.
I was unable to convey my true feeling.

There are times like this.
Yes, there are times of regrets.
But, see? A beautiful rainbow
shows itself only after a rain.

Let me wipe my tears,
so that I can smile again tomorrow.
I quietly take a good look at myself;
then, I look forward.

Hey, hang in there!
When my heart finally catches everyone’s voice,
I embrace this moment preciously,
and I start to walk forward.

3. I Did It!

I did it! I finally did it!
Listen! I was able to do it suddenly today!
Hey, look! Look!
I will do it again!

A back hip circle. A unicycle ride.
A backstroke. Double under.
Multiplication and division of three-digit numbers.
The Flea Waltz on the piano.
Pen spinning. Finger snap.
A long and difficult tongue twister!

Ah! I don’t know why, but my heart is pounding!
I feel that I can do anything now!
Ah! If I laughed loudly now,
I am sure the whole earth would laugh with me!

 

I finally did it all!
Listen! I got an A plus today!
It is true!
See, see? Great, isn’t it?

All names of States and Prefectures. Check!
Math problems. Spellings of difficult words.
Memorizing constellations, and homework. All done!

When I flip my notebook, I see my footprints.
“Why don’t I do a bit more?”
I’d like to give a big hand to my yesterday self!

Ah! I don’t know why, but I am full of energy!
I feel that I can go anywhere now!
Ah! If I keep doing,
I am sure that I can achieve any dreams!

Ah! I don’t know why, but I am so excited!
I feel that I can do anything now!
Ah! If I sang loudly now,
I am sure that the whole earth would sing with me!


Program Note (JPN Only) / プログラムノート

この曲を歌うみなさんへのメッセージ  (New Chorus Selectionより、抜粋)

 「はじまり」という言葉に、みなさんはどういうイメージを持っていますか?ボクは「ワクワク・ドキドキ」、「広がり」があって、「ソワソワなんて明るく吹きとばしてしまう」ような「元気な」イメージを持っています。みなさんと同じくらいの年のころから、ずっとです。ボクは、みなさんの「はじまり」のイメージと、ボクが持っているイメージが、にているといいなぁ、と思っています。


 さて、みなさんは、もうたくさんの「はじまり」にふれていますよね。大きなものもあれば、小さなもの、気がつかずに通りすぎていたもの、などなど、考えればたくさん思い出せるでしょう。ボクたちの「人生」は「はじまり」にあふれています。


 もちろん、ボクは、みなさんより大人ですから、みなさんよりずっとたくさんの「はじまり」と、そこにいっしょにくっついてくる「しっぱい」と「せいこう」、そして「おわり」にふれてきました。この「はじまりは、いつも」という合唱曲は、ボクがずっと持っている「はじまり」のイメージや、思い出のいくつかを集めて、「こうだったらステキだな!」と、ボクがみなさんくらいのときに思っていた「ねがい」といっしょに言葉と音楽にしたものです。
みなさんが、どんな「はじまり」にも、自分らしく元気いっぱいかけだしていくような楽しい曲になれば、そして、何かのはずみでションボリしたとき、はげましてくれる優しい思い出になる曲になれば、ボクはとてもうれしいです。

 

『組曲の全体のアドバイス』 (New Chorus Selectionより、抜粋)


 作詞家や作曲家が自分の作品に持つ考え、というものは、本当に千差万別なのですが、私が歌を作詞作曲をするときに大切にしていることをまとめると、以下の4点になります。


1.歌詞は、話し言葉で書きたい。
2.色や動き、情景など、より立体的なイメージをもつ言葉を選びたい。
3.言葉がもつ自然なイントネーションやアクセントが生きる曲にしたい。
4.歌詞全体を生かすと同時に、音だけ独立させても素敵だなと思える曲にしたい。


 以上のような考えを持つに至ったのは、私が、舞台や映画、ナレーションや朗読、脚本制作といった分野でも活動していること、音楽を本格的に始めたのが米国留学時で、言葉と音楽それぞれの可能性と限界を肌で感じたことが大きく影響しています。私は、今回の合唱組曲を書くにあたって、以上4点を同声合唱の視点から最大限に掘り下げたつもりです。歌詞は、歌い手である子供たちの話し言葉で、感嘆詞、擬音・擬態語が多用され、色やイメージを連想させる言葉、比喩や擬人法、動きを感じる言葉だけでなく、実際に動く遊びの要素をもった手拍子など盛りだくさんですが、詩や楽曲の構成自体はポピュラー音楽などの比較的短い楽曲に適するような明解な形になっていると思います。
さて、私としては、以上の4点を踏まえ、皆さんがこの楽曲の練習や演奏を通して、以下の点が達成できると嬉しく思います。


1.その歌詞(セリフ)が自然にでてきて歌になるような気持ちの盛り上がりを持てた。
2.言葉がもっているイメージや動きを、声だけでなく体全体をつかって表現できた。
3.より自然に、より生き生きと分かりやすく伝わる言葉の発音や体の表現を工夫した。
4.日本語を分からない人にも、素敵な演奏だな、と思ってもらえた。


 さて、以上のことを踏まえながら、楽曲に取り組んでいったとき、テンポやダイナミクスや、動き、歌詞など、指定のものより素敵で皆さんにピッタリなものが見つかるかもしれません。そのときは、どうぞ!皆さんの選択と表現に自信をもって、その表現を選んでください。


 音楽は、大部分の人にとっては再現芸術、つまり、他の誰かが作った道筋を自分なりにたどりながら音で芸術表現を行う行為です。この合唱組曲が、音楽、その中でも自分に最も近い楽器、ある意味自分そのものである「声」をつかう合唱活動を楽しく行うきっかけとなり、子供たちが自分の気持ちや考えを、より自然に、豊かに、自信をもって表現できるようになる手助けをすることができれば、こんなに幸せなことはありません。

about the Commission and the Premiere

 This work was commissioned by the Zennihon Gassyo Fukyukai, and the premiere was done by Hamamatsu Lionet Chorus and Kimitsu Children's Chorus at Ginza Yamaha Hall (Tokyo, Japan) on 5/11, 2013.

委嘱・初演に関して

 この作品は全日本合唱普及会の委嘱作品です。初演は2013年5月11日に、銀座ヤマハホールにで、浜松ライオネット児童合唱団ときみつ少年少女合唱団の合同合唱団により演奏されました。

訂正 (Errata)

1. 一楽章「空のスタートライン」P8の2段目、7小節目、2拍目、

アルト「テヌートではなく、他に合わせてスタッカートに修正」

2. 一楽章「空のスタートライン」P17の2段目、107小節目、2拍目、

ソプラノ下声部「上声部と共通の4部音符ではなく、ずらして2分音符に修正」